最近パニック障害=パニックディスオーダー(panic disorder:PD)という病態が増加しているといわれています。
以前は「不安神経症」という神経症として扱れていましたが、1980年より独立した診断単位として登場しました。
PDは女性に多く、小児から高齢者まであらゆる年齢層にみられますが、20〜40代に特に多くみられます。
PDの症状は突然、不安や恐怖(死んでしまうような)に襲われ動悸、呼吸困難、めまい、身震い、発汗、嘔気、しびれ感などの身体症状が出現するものです。
これらの症状は、特別のストレス状況下で起きるものではなく、予期されるものでもありません。
ただ環境の影響は強く、電車の中、エレベーターの中、会議中、車の運転中(特に高速道路)、人混みの中等で起きやすく、初回発作時は救急車で救急病院へ運ばれ、血液検査、心電図、CT等一通りの検査でも何の異常もみられず、大体60分以内には症状も軽くなり、歩いて帰れることがほとんどです。
ただ困ったことに、PDの発作は繰り返されることが多く、患者さんは、また発作を起こすのではないかと心配し、予期不安を生じ、外出を避けるようになってしまったり、長くそのような状態が続くと、二次的にうつ状態となることもあります。
電車の中で発作を起こした人は、急行電車に乗れなくなり、各駅停車で一駅ごとに降りてしまう人もいます。
PDの原因は脳内神経伝達物質の流れの異常と考えられ、過呼吸(過換気)、カフェイン、プロゲステロン等が悪影響を及ぼすと言われています。
治療としては、精神療法及び薬物療法が有効で、アルプラゾラム(精神安定剤)やイミプラミン(抗うつ剤)がよく使われています。
ただし短期間の服用では再発が多く、年単位となることが多いようです。
PDの発作が繰り返され、内科で異常なしと言われた時に、早めに心療内科や精神科を受診することが大切です。